慶應義塾大学病院 周産期・小児医療センター

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脊椎・関節の病気チーム

メンバー
松本守雄、渡辺航太(整形外科 脊柱側弯症グループ)

 正常な背骨は前から見ると真直ぐに並んでいますが、脊柱側弯症では背骨がねじれるように曲がってしまいます。原因には神経や筋肉の病気などがありますが、原因が特定されない側弯症も多くあります。側弯症になると体が曲がってきたり、傾いてきたりします。さらに、曲がりがひどくなると、呼吸が苦しくなってきて、生命予後を悪化させることもあります。しかし側弯症の多くは自覚症状が乏しいため、本人も周りの人も気づかないことが多く見受けられます。外見の変化が明らかになるころには、曲がりが相当進んでいる場合もあるので、治療のタイミングを逸しないためにも早期発見が大切です。


 側弯症の治療は大きく分けて、「装具治療」と「手術」があります。「装具治療」では、一日の多くの時間、側弯矯正装具を付けます。しかし、背骨の曲がる力を装具でも抑え込めない場合も多くあります。その場合、手術を考慮しなければなりません。「手術」を行う場合、中学生や高校生ではスクリューやロッドなどの金属を用いて曲がった背骨を矯正します(図1)。しかし乳幼児や小学生に手術を行う場合、体の成長に合わせて、体の中に入れたロッドを伸ばしていく方法(グローイングロッド、図2、VEPTR、図3)を行わなければなりません。そうしないと、背骨の成長や肺の成長を妨げてしまうからです。


 小児の側弯症治療は、現在の背骨の変形を治すだけでなく、成長という時間を考える必要があり、時として治療に難渋する場合があります。しかし、私たち脊柱側弯症グループでは、未来を担っていく子供様たちの健康のため、一丸となって日々の診療、研究を行っております。われわれ脊柱側弯症グループでは松本守雄准教授、渡辺航太特任講師を中心に治療にあたっております。診療は月曜日の午後、第2土曜日の午後の側弯症外来で行っております。両医師の脊椎外来(松本:月曜午前、渡辺:火曜午前)でも診療を行っております。

図1 図2 図3
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